わたしは「うつ病」で会社を退職したことがあります。はじめは体調が悪いだけかと思っていたら「うつ病」でした。
この記事では、「うつ病」になってしまったわたしが退職するまでのステップを「うつ病」で退職を悩んでいるあなたへ情報の共有したいと思い解説します。
自分は「うつ病」だったのか?
わたしは会社員でした。社員数50名くらいの中規模の設計会社で設計をしていました。
平日は9時から働き始めて、ほとんど毎日20時くらいまで残業していました。土曜日も出勤していました。
欠勤はあまりしない方でしたが、ある時から体調が悪くなる日が多くなりました。
会社に行かなければいけないとわかってはいるのに、身体がダルくて動けないのです。
毎日、頭痛があって、耳鳴りもありました。
会社に向かって家を出るのですが、足がなかなか進みません。
電車に乗っても途中で降りてしまって、1時間くらいベンチで座ってままというときもありました。
それは最初は週に1,2回でしたが、だんだんと増えていって毎日そうなってしまいました。
「何かがおかしい」と思って、診察を受けると「うつ病」だとわかりました。
まさか自分が「うつ病」になるとは思ってもみなかったので驚きました。
仕事でのストレスや長時間労働で、知らぬ間に「うつ病」になってしまったのです。
みなさんの同じような経験をしたかたもいるでしょう。
私は治療を開始してから2年以上経ちます。少しずつ改善はしていますが、いまだに治っていません。
「うつ病」は簡単に治る病気ではありません。
みなさんは、早めに診断を受けて、早期治療をおすすめします。
仕事でうつ病になってしまう主な原因は?
心療内科で診察を受けて、原因がはっきりとしないで「うつ病」と診断されたあなた、何が原因だったか知りたいですよね。
仕事でうつ病になってしまう主な原因は3種類あります。あなたはこれらに当てはまっていたのではないですか。
今後、治療を進めていくうえで再発しないように原因をよく理解しておいたほうがいいと思います。
パワハラ・セクハラなどを受けている
上司からのパワーハラスメント(パワハラ)や上司や同僚からセクシャルハラスメント・性的いやがらせ(セクハラ)など、さまざまなハラスメント行為を受けていると、うつ病を発症してしまう可能性は高くなります。
ハラスメントは、精神的にだけでなく肉体的にもダメージを受けることがあります。そのような状態で働き続けていると、心も体もおかしくなってしまいます。
同期、同僚、上司と意見が合わない
仕事自体は好きでやりがいを感じていても、同期や同僚、上司と意見が合わないで精神的に疲れてしまうこともあるでしょう。理由がはっきりしていればまだ救われますが、なんとなく合わないと感じる場合は、どうすれば良いかわからず、頭を抱えてしまう人もいるでしょう。
性格や価値観があわず、そのズレに心をすり減らしていると、疲れがどんどん蓄積されてしまって、うつ病を発症する原因になりかねません。
長時間労働
毎日、夜遅くまで残業を強いられ精神的に疲労しているのに、忙し過ぎて食事もままならぬ状態だと栄養バランスまで壊してしまいます。このような状態では、精神的に追い詰められてもおかしくありません。
オーバーワークが続くと、疲れているのに寝れない不眠の症状が現れるようになります。適切な休息と睡眠が足りない日々を重ねていくと、うつ病発症に繋がります。
とくに睡眠不足は正常な判断を奪いますので、肉体的にも精神的にも大変危険な状態と言えるでしょう。
うつ病で退職する前に出来る対策方法
医師の診察で「うつ病」と診断されて、会社を退職する前に出来る対策があります。対処方法によっては早期改善されて退職せずに済む場合もあります。以下の手順で対策の確認をしておいましょう。
1)医師に相談・診断
「うつ病」と診断された後、今後どのように治療していくのか、医師とよく話しあいましょう。
2)家族に連絡・相談
医師と話した内容を家族に伝えましょう。治療方針を説明し、家庭で気を付けなければいけないことを確認しておきましょう。会社を休職するのか、すぐに退職するのか、経済面なども確認して話し合っておきましょう。
3)就労支援機関に相談
「うつ病」と診断され、仕事が原因であったり、健康管理に問題があった場合、就労支援機関に相談することで適切なアドバイスや指導してもらえたりする場合があります。
今後の治療方法にも参考になるので是非、相談してみましょう。
4)会社に相談
「うつ病」と診断されたことを会社や上司に相談しましょう。労働時間を調整してもらったり、配置変更で改善が見られるかもしれません。休職できるのか、休職した場合のことなども相談しておきましょう。
5)休職を検討
休職の制度がある会社に勤めている人は、休職を検討してみましょう。会社によって休職出来る期間は違うと思いますが、休職して仕事のことを考えないようにすると「うつ病」が改善されるケースもあります。検討してみましょう。
6)病院に通院・治療
「うつ病」と診断されたら改善に向けて通院・治療を行いましょう。「うつ病」の自己治療は難しいと言われています。医師にしっかり診てもらって、薬を処方してもらって治療しましょう。
7)経済面を確認
会社を休職・退職すると今までの収入が途絶えてしまいます。家族の他の誰かが働きに出なければ行けなくなるかもしれません。生活できるのか、貯金はあるのかなど家族と話し合っておきましょう。
金銭面で不安な場合、会社で働きながら通院治療するという方法もあります。
うつ病を病院で治療するメリット
自己治療は難しい
「うつ病」は自分で「うつ病」だとわからない場合があります。「うつ病」かどうかは、専門医の判断が必要です。ネット上には自分がうつなのかをチェックできるセルフチェックチャートがありますが、分かったとしても自分で治療はできません。
「うつ病」の症状によっては、他の病気の治療も必要になる場合があるので、自己治療しようとせず医師にしっかり診てもらいましょう。
公的な支援を利用できる
社会保険の傷病手当や、労災認定を受ける時など公的な支援を利用する場合には、医師の診断書が必要となります。公的な支援を利用することによって、毎日の生活の不安を軽減することが出来ますので医師に診てもらって、しっかり治療を行うようにしましょう。
1年半休職したが改善が認められず退職
私の場合は、医師に「うつ病」と診断してもらった後、傷病手当金を受給しながら会社を休職して治療に専念しました。
しかし、1年半休職しましたが改善が見られず退職しました。
はじめはすぐに治って、すぐ会社に復帰できるだろうと思っていましたが、回復は難しかったです。(今も完全には治っていません)。
「うつ病」は軽度で早く治る人もいるようですが、長引く人も多いようです。会社に通いながら通院して治療で治ればいいですが、早く治すために退職してしっかり治療に専念した方がいい場合もあるので、よく考えて治療方針を決めてください。
うつ病で退職するためのステップ
「うつ病」が原因で退職する手順をまとめました。ステップごとに見てみましょう。
1)病院で診断を受ける
自分に「うつの様な症状」がみられたら、病院で診察してもらいましょう。
まず心療内科を受診して、自分の症状を伝えましょう。そして診断結果をもとに治療方針を決めましょう。産業医がいる方は、まず相談してみるのも良いです。
2)家族に退職を話す
「うつ病」と診断されたらまず家族に伝えましょう。今後の治療方針、会社をどうするかなど相談しておきましょう。
家族に相談せず退職してしまうと、新たにストレスになったり、のちに問題になったりしますので、必ず家族には話しておきましょう。
3)会社・上司に退職(休職)を伝える
会社によって退職願の提出について規定があると思います。退職したい日から2週間前、あるいは1か月前に提出する必要があります。事前に確認しておきましょう。
引継ぎが必要な場合もあるので上司と日程を確認しておきましょう。
退職願の退職理由は、うつ病と記載する必要はありません。一身上の都合で問題ありません。
4)有給休暇を消化
有給休暇が残っている場合は、退職までに使い切りましょう。この辺も会社の総務などと相談して決めておきましょう。
5)社会保険の手続きの準備
退職するまでの間に社会保険について確認しておきましょう。次の項目を確認しておきましょう。
- 退職後の健康保険は国民健康保険に切り替えるのか
- 今の会社の保険を任意継続できるのか、保険料の金額は国民健康保険と比べて安いか
- 家族の扶養に入るのか
など
6)離職票の交付依頼
退職届の提出と同時期に離職票の交付も依頼しておきましょう。離職票とは、雇用保険の失業給付(基本手当)を受給する際に必要な書類です。
退職してから10日前後までに、交付される離職票を持って、あなたの居住地を管轄するハローワークにて手続きを進めると、失業給付が受給されます。
失業給付の受給には、「退職前の2年間で雇用保険の加入期間が12ヶ月以上あること」など、条件があるので確認しておきましょう。
7)労災による治療費を申請する
仕事が原因でうつ病を発症したことが認められた場合、労災による補償を受け取れる可能性もあります。
ただし、労災の認定は、厳格な審査のもと決定されるため、必ずしも補償が受けられるわけではないようです。
8)未払いの賃金がないか確認する
未払いの賃金があれば、退職後であっても請求できます。残業代など受け取っていない賃金があるかしっかりと確認しておきましょう。
9)退職
退職日までに会社にある私物を引き上げます。最後はお世話になった人たちに挨拶をして退社します。
顔を合わせたくない場合は、退職代行サービスを利用してもいいでしょう。退職代行サービスを利用すれば退職届の提出から退社まで会社とのやり取りをすべてお任せできます。自分で会社とのやり取りをしたくない場合におすすめです。
退職代行サービスについては、コチラの記事で解説しています。
うつ病で退職後のすべきこと
「うつ病」で退職した後の行動についてまとめました。主に以降の4つの項目です。
治療に専念
会社を無事に退職出来ても「うつ病」はすぐには改善されません。治療に専念しましょう。
会社のことを考えなくてもよくなったので少しはストレスが軽減されたはずです。
しばらくは、何も考えないようにして「うつ病」が早く治るようにしましょう。
薬を服用している方は、症状が少し良くなっても薬を止めないで、医師の指示通りに飲み続けましょう。
健康保険・年金の切り替え
国民健康保険や国民年金へ早めの切り替えが必要です。出来る限り早く手続きしましょう。
切り替えの窓口は、基本的に市町村町役場です。手続きの期間は原則、退職日の翌日から14日以内です。
年金手帳や退職証明書など、退職日が明記された書類が必要なので忘れずに持参しましょう。
失業給付の受給手続き
失業給付の受給手続きは管轄のハローワークで行います。会社から離職票が発行されたら速やかに処理しましょう。
失業給付の給付期間は1年間なので、できるだけ早く手続きをすましましょう。
退職事由が自己都合か会社都合かなど、条件によって受給開始までの待機期間が異なります。自分の受給開始日を確認しておきましょう。
注意点は、失業給付は求職中の方に支給される手当です。
うつ病などの疾病によって求職活動ができない場合は、一定の条件のもとで受給期間を延長することができます。管轄のハローワークの担当者に確認してみましょう。
就労支援機関に通所
治療とともに退職後にオススメしたいことのひとつが「就労支援機関への通所」です。
まずは治療に専念することが先決ですが、その後に生活リズムを整えたり、通勤していたころの感覚を取り戻したりする意味でも、就労支援機関への通所は有効です。
面接の練習や就職先の紹介といった就労面でのフォローだけでなく、メンタル面でのケアや定期面談なども行っています。
一度、無料相談をしてみるのもオススメです。
会社を辞めたい、どうすれば良いのか、そんなことが頭によぎったときは
うつ病でつらくなって、会社を辞めたい。。。そんなことが頭によぎったとき、どうすれば良いのか。。。
そんなあなたに、うつ病改善を実現する特別なプログラムがあります。
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以下のリンクから詳しい解説があります。
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うつ病改善プログラム : 【RMM】本田式・うつ病改善プログラム リカバリーマインドメソッド
うつ病で退職するときのお金の不安を解消する制度
「うつ病」で退職すると収入が途絶えてしまいます。金銭的な面の不安を解消するための制度がありますので自分が受給出来るのか確認してみるといいでしょう。
自立支援給付による精神通院医療
うつ病などの精神科の病気で治療を受けるときに、健康保険の自己負担の一部が支援されます。通院、投薬、訪問看護などが対象です(入院は対象外)。
世帯の所得に応じて助成の上限額がありますので、市町村の担当窓口(障害福祉課、保健福祉課等)で確認してください。
障害年金
障害年金とは知的障害や重度の怪我、病気によって日常生活が制限される場合に受給できる年金のことです。知的障害や視力障害のような生まれつきの障害だけではなく、うつ病や癌といった突発的な病気でも受給対象になります。年金事務所で相談してみるのが良いでしょう。
年金事務所は、予約がなければ待ち時間がとても長く、相談すること自体が大変な状況です。予約がなければ、3時間待ちなどということもよくあります。相談をする場合は必ず、予約をするようにしましょう。
失業保険
うつ病で退職した人も失業給付を受給できます。ただし、失業給付の受給条件として「就職しようとする意思と、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にある方」とされています。
うつ病がまだ完治していない状態で、すぐに求職活動が出来ない場合は一定の条件のもとで受給期間を延長することができますので、管轄のハローワークの担当者に確認してみましょう。
生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金貸付制度は、生活保護よりは活用しやすい制度で、失業・病気などで生活のお金がなくて困っているときに、社会福祉協議会というところから低利または無利子でお金を貸してもらえる制度です。
メリットとして、貸付利子が低い(無利子~1.5%/年)、低所得、無職、病気の人でも借りやすいことです。
しかし、返済の見込みがないと借りられない、お金を借りる前に民生委員さんとの面接がある、社会福祉協議会、ハローワークなどから継続的な支援を受けることに同意するなどの条件があることがデメリットになります。
生活保護
生活保護は、病気やケガなどといった理由で働くことが出来ない人や、働いていても極端に収入が少ない人を対象にして、現金を支給し最低限の生活が出来るように支援する制度のことです。
うつ病は継続した治療が必要です。生活保護を受けるいちばんのメリットは医療費の心配をしなくていいということです。
しかし、生活保護にもデメリットがあって、生活保護を受ける前に資産となるものは手放さなければなりません。不動産や車など手放すことで生活費に充てることができる資産は生活保護申請前に手放さなければなりません。
傷病手当金と失業保険の違い
傷病手当金は、業務外の病気やケガのために療養のため休業し、労務不能である日について、休業4日目から支給される健康保険の制度です。健康保険に1年以上加入していた人が、退職時に傷病手当金を受けていた場合、退職後も継続して、支給開始日から最長で1年6ヶ月支給されます。
一方、失業保険は、前提として「失業」の状態にあることが必要です。「失業」の状態とは、「働いていない状態」ではなく「労働の意思及び能力があるにもかかわらず、職業に就けない状態」のことです。
ですので、傷病手当金は「労務不能」である状態で、失業保険は「労働の意思及び能力がある」状態で支給されるので、傷病手当金と失業給付を同時に受給することは出来ないことになります。
うつ障害年金の申請でたった1つの「○」をつける位置を間違えて178万円を受給しそこねた失敗例
うつ病で障害年金の申請する時に気を付けていただきたい例を紹介します。
うつ障害年金の申請でたった1つの「○」をつける位置を間違えて178万円を受給しそこねた失敗例が掲載されています。
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【実話】うつ障害年金の申請でたった1つの○をつける位置を間違えて178万円を受給しそこねた例
うつ病の自己治療は難しいのか?
うつ病の治療には、休養、精神療法、薬物療法などがあります。まず休養をとることが一番です。休養をとることは、うつ病から回復するために非常に重要です。何もやる気がしない時は何もしないのがいいです。むりやり何かをしなくてはと考えるとストレスになる場合があります。休むことは悪いことではありません。あせる必要もありません。
しばらく休んで、身体が動かせるようになってから通院してもいいと思います。
病院に通わずに治そうと思ったりもしますが、薬を処方してもらった方が早く治る可能性があります。
薬を処方されなくても治る場合があります。医師とよく相談してどのように治療していくか決めましょう。
退職後の健康保険や年金について知識を深めておきましょう
会社に勤めていたときは健康保険や年金などの手続きを会社がすべてやってくれていましたが、退職してしまうとすべて自分で処理しなくてはいけません。
もともとそれらの知識があり人はいいでしょうが、普通の人でしたら戸惑うことやわからないことが多いでしょう。ほかにも様々な公的支援制度がありますが、自ら申請しない限り支援を受けられません。
退職して無収入になってしまった状態では、支援制度によって少額でも受給できれば治療に専念出来て安心です。
退職後のあなたにとって必要な、失業保険、健康保険、年金について知識を得ておきましょう。
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貰える権利は余すところなく全て貰う、支払う義務は出来るだけ減免する、というのがこの本のコンセプトです。
是非、一度目を通しておきましょう。
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まとめ
うつ病で退職するあなたへ、うつ病経験者のわたしが同じ悩みで悩んでいるあなたに少しでも生活しやすいようにとヒントをまとめました。
わたしは、うつ病で退職して2年以上経過していますが、まだ働いていません。心療内科に月に1回通院して、薬物療法で治療しています。うつ病は、なかなか治らない病気です。治っても再発しやすい病気です。
慌てず、焦らず、治療していきましょう。
あなたのうつ病も、私のうつ病も、いつか治ることを願っています。
お互い、気長に生活していきましょう。